夜 車

埼玉で夜景を見に行くなら、どこがいいだろう。
都心からのアクセスもよくて、静かに景色を楽しめて、できれば車でふらっと行ける場所がいい。
そんなノリで行くなら「秩父ミューズパーク」がおすすめです。

秩父ミューズパーク

秩父エリアを代表する、標高約 360 mの高台にある自然豊かな公園。
園内には複数の夜景スポットがありますが、中でも「ミューズパーク展望台」と、そのすぐ近くにある「旅立ちの丘」は特におすすめです。
展望台は、まるで湖から天へと向かってこぎ出す船をイメージして設計されているそうです。
デッキからは秩父市街地や武甲山、荒川、ライトアップされた秩父ハープ橋などをパノラマで一望できます。
静かに夜景を味わえるデートスポットとしても人気らしいです。

  • 住所:埼玉県秩父市田村
  • アクセス:関越花園ICから国道140号(約1時間)
  • 駐車場:あり

旅立ちの丘

展望台から少し歩いたところに、もうひとつの印象的なスポットがあります。
それが「旅立ちの丘」。
この丘には、卒業ソングとして有名な「旅立ちの日に」の記念モニュメントがあります。
あの曲、実は秩父の中学校で生まれたんですね。
それがいまや全国の卒業式で歌われる定番曲になっているということに、なんとも言えない感慨を感じました。
モニュメントの先端にある展望デッキに立つと、あの「旅立ちの日に」の合唱が流れます。
日没から21:00までライトアップがされていて、視界の先には、秩父の街灯りがゆるやかに広がっています。
武甲山の山影が黒く浮かび上がり、どこか時間の流れが緩やかに巻き戻っていくような感覚がありました。
子どもの頃の卒業式、親や友達の顔、自分がどんな夢を抱いていたか。
そんなものが、一気に押し寄せてくるような不思議な瞬間でした。

また、近くには「ミューズアロー」と呼ばれる弓矢のモニュメントもあります。
「ふたりの神が想いあうように、大切な人への真っ直ぐな想いを矢に託す」
という想いが込められているそうで、秩父に伝わるロマンチックな伝説にちなんだものらしい。
秩父神社の女神と、武甲山の男神。
年に一度だけ、秩父夜祭の晩にだけ会うことができる。
そんなふたりの神様のすれ違いの恋をモチーフにして作られたのが、この弓矢のモニュメントなんだそうです。

本来であれば、ここでふたり並んで矢を引き、武甲山の頂へ向かって放つという演出ができるのですが、残念ながら故障中で、弓を引くことはできません。
それでも、武甲山をまっすぐに見据えるように立つその姿からは、「想いを届けたい」という気持ちが静かに、でも確かに伝わってくるようでした。