ゼリーフライって知ってる?
県外の友人にそう聞くと「甘いやつ?」とか「ゼリーを揚げるの?」みたいな反応が返ってくることが多い。
たしかに、名前だけ聞いたらそう思っても無理はない。
でも実はこれ、埼玉県で昔から親しまれている、ご当地グルメなんです。
埼玉生まれの僕にとってはわりと馴染みのある食べ物だけど、他県の人に説明しようとすると、なかなか伝わらない。
だからこそ、あえてちゃんと紹介しておきたいと思う。
見た目はコロッケ。でも中身はおからベース
ゼリーフライは、ざっくり言えば「衣のないコロッケ」みたいな食べ物です。
おからとかじゃがいもをベースに、にんじんやネギなどを加えて混ぜ、小判型にして揚げる。
仕上げはウスターソースにくぐらせて完成。
食感はふわっとしていて、モチモチ。
がっつり系というより、軽くつまめるおやつ寄りのローカルフードといった感じ。
僕自身も、小学生の頃に友達の家で出してもらったのが最初の出会いだった気がする。
「なんだこれ?」と思いながら食べたら、やさしい味にすっと馴染んで、気づけば2個3個と食べていた記憶がある。
名前の由来は「銭フライ」がなまった説が有力
不思議な名前のゼリーフライ。
語感だけ聞くとスイーツっぽさがあるけれど、もちろん甘くはないし、ゼリーも揚げてもいない。
調べてみたところ、小判型の見た目から「銭フライ」と呼ばれていたのが、なまって「ゼリーフライ」になったという説があるらしい。
たしかに、地元のおばちゃんが「ぜにふらい」って言ってたような、言ってないような。
言葉って、そうやって変わっていくんだなと改めて思う。
行田市では進化系も
ゼリーフライは今でも埼玉県行田市を中心に、地元で愛され続けている。
市内の惣菜屋さんや飲食店で販売されていて、持ち帰りも気軽にできる。
最近は、ゼリーフライバーガーや、ピタサンド風にアレンジしたメニューも登場しているらしい。
中にはカレー味、チョコバナナ味なんて変わり種まであるとか。
正直そこまでいくと地元民でもびっくりするけど、それだけ自由に楽しめる料理なんだと思う。
知らなきゃ一生知らない。でも一度食べると記憶に残る
ゼリーフライは、よそから見たら謎だけど、食べてみるとしみじみうまい。
ふだんは意識してないけど、埼玉の風土に根ざした味ってこういうものなんだろうなと思う。
埼玉県民でも、地域によってはなじみがない人もいるかもしれないけど、行田に行ったら一度は試してみてほしい。

